なぜ自分達はアートを支援するのか?なぜ地域にアートが必要か?地域活性化はスポーツのほうが効果的では?そんな基本的な問いに遭遇したとき、どう答えますか?自問自答した時、ふと不安がよぎったことは?“アートは生活に必要だから”だけでは説得力に欠けます。アート・マネジメントには二つの重要な姿勢があると思います。アートに向きあう姿勢と社会すなわち人に向きあう姿勢です。このAAF学校第2期では、社会に対してより説得力のある企画をつくるため、アートの必要性をロジカルに整理するということに主眼をおき、アートに興味がない人でも合点がいく説得のあり方を、広告や街づくりなど、様々なシーンから学んでいきたいと思います。(石綿祐子)
第1回 10月6日(月) 19:00-21:00
「イントロダクション」
最初の時間は、自己紹介をベースに、参加者のみなさんが抱えている問題意識を共有していきます。人それぞれのアートへの想い、マネジメントに対する問題意識、今考えている企画などを聞きあい考えあいながら、課題を共有していきます。
第2回 10月13日(月・祝)14:00-15:30
「誰に何を伝えるか?アートを伝えたい人は誰ですか」
石綿祐子(株式会社電通 電通総研コミュニケーション・ラボ)
アートを支援する先には、多くの人に知って欲しい、理解して欲しい、楽しんで欲しいという目的があるはずです。人々の生活にアートが必要であるならば、まず今の生活価値を知ることも重要です。アートを伝えるべき人々が何を考え、どのような価値観でいるのか、何を求めているのか、観客・聴衆となる人々について考えていきます。
第3回 10月13日(月・祝)15:45-17:45
「まちづくりにアートを活かす」
紫牟田伸子(株式会社日本デザインセンタープロデュース室チーフ・プロデューサー)
松田朋春(スパイラル/株式会社ワコールアートセンター チーフプランナー)
つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」前の開発地域で展開しているアートプロジェクト等を紹介しつつ、企業と地域の人々を巻き込むプロジェクト・プランニングについて考えます。
第4回 10月20日(月)19:00-21:00
「何のためのアートプロジェクトか?原点をみつめてみよう」
加藤種男(アサヒビール芸術文化財団 事務局長/横浜市芸術文化振興財団 専務理事)
アートプロジェクトをすすめるにあたって、何を実現したいのだろうか。『アートには価値がある』のだとしたら、それを社会化するとは、社会的な投資ではないだろうか。アートの価値とは、どんな価値?誰の価値?日頃、当たり前のように語られるフレーズを突き詰めていくと、本質がたちあらわれる?社会的投資としてのアートプロジェクトの意味を検討しましょう。
第5回 11月10日(月)19:00-21:00
「アートとブランド戦略ーアートから企業価値へのつながり」
望月裕(株式会社電通 ストラテジック・プランニング局)
他者の支援によって成り立つあなたの企画は、支える企業や行政に対してどのような価値を提供し得るでしょうか。社会貢献活動としてのメセナも、価値へのつながりが認識されてこそ定着します。“アートの寄与・効用”をどう示すべきか、ブランド戦略等を背景として考えてみます。
第6回 11月17日(月)19:00-21:00
「アイデアをかたちにー企画書と地域に対しての説得力」
藤浩志(美術家)
藤さんはかつて「企画書を書けるようになりたい」と都市計画事務所で働きました。それは自身のアート活動の幅を広げるためだったと言います。なぜアートに企画書が必要だったのか、企画書が書けるってどういうこと、そしてアートプロジェクトにとっての企画書とは。アーティストの藤さんと、企画書について考えます。
第7回+8回 11月24日(月)14:00-18:00
「ワークショップー企画書を書いてみよう」
石綿祐子
実際に企画書を作成します。これまでの講義をもとに、様々な視点から実際にポイントを整理し、第三者にどう伝えるか、手を動かしながら考えてみましょう。
講師プロフィール
石綿祐子(株式会社電通 電通総研コミュニケーション・ラボ)
(株)社会工学研究所、(株)電通消費者研究センターを経て、現在に至る。(株)社会工学研究所では自治体の文化政策、文化施設基本構想など、アート・マネジメント関連プロジェクトを中心に関わる。(株)電通では、生活トレンド分析、世代論など、マーケティング・消費者インサイト等に関わりつつ、アートとエンターテインメントの深い溝を実感。現在はメディア環境の変化、広告・コミュニケーションの変化を研究中
紫牟田伸子(株式会社日本デザインセンター プロデュース室チーフ・プロデューサー)
美術出版社『デザインの現場』『BT/美術手帖』副編集長を経て現職。「ものごとの編集」を軸にしたコミュニケーション・プランニング/デザイン・プランニング/プロデュースを行う。2005年より福井市の地域活性化プロジェクト「おいしいキッチン」をプロデュース。また、デザインとアートのウォッチャー/ライターとして、講演や雑誌などへの寄稿を行っている。多摩美術大学情報デザイン学科非常勤講師ほか。
松田朋春(スパイラル/株式会社ワコールアートセンター チーフプランナー)
地域開発やイベント、商品開発、広告企画などに携わる。2005年愛・地球博公式アートプログラム プランニング。「ランデヴー プロジェクト」「ダイアログ・イン・ザ・ダーク・タオル」でグッドデザイン賞、「ピノキオプロジェクト」でキッズデザイン金賞受賞。著書「ワークショップ-偶然をデザインする技術」(共著・宣伝会議)。立教大学観光学部非常勤講師。
加藤種男(アサヒビール芸術文化財団 事務局長/横浜市芸術文化振興財団 専務理事)
1990年の企業文化部設立以来、アサヒビールの社会貢献部門を幅広く担当。横浜市芸術文化振興財団専務理事も兼務。企業メセナ協議会研究部会長、いくつかのNPOや文化経済学会理事を務める。共著に『社会とアートのえんむすび』(トランスアート)、『新訂 アーツ・マネジメント』などがある
望月裕(株式会社電通 ストラテジック・プランニング局 BC室 市場開発部部長)
1986年(株)電通入社。マーケティング・コミュニケーション立案、CI、ブランドマネジメント、その他各種調査及び消費者インサイト開発作業に従事。現在は特定業種のインサイト開発を担当。日本広告学会会員。日本産業広告協会広報委員。共著:『ピークフリー社会~人口減時代の新ライフスタイル』
藤浩志(美術家)
藤浩志企画制作室代表。「Vinyl Plastics Connection」、「kaekko」、「イザ!カエルキャラバン!」、「北本アーツキャンプ」など、地域資源、適性技術、協力関係を基盤としたデモンストレーションによる提案型の表現をおこなう。その場の属性(地域、人、組織、空間)に応じたカテゴリーにとらわれない活動を企画・制作している。