交流プログラム

『CCC円卓会議in船橋』

山浦彬仁さん(NPO 法人コミュニティアート・ふなはし)
千葉クリエイティブ・クラスター・セカンドステージ



8月4日から5日の2日間、千葉クリエイティブ・クラスター円卓会議in船橋に、ゲストとして特定非営利活動法人BEPPU PROJECT代表理事の山出淳也さんを招聘させていただきました。「せっかく千葉においでくださるのだから」ということで、8月4日から山出さんには、東京入りして頂き、すみだがわアーツのれん会の「水上アートバス!パフォーマンス」をご鑑賞いただき、また下船後にはAAF実行委員の住中浩史さんにご案内いただき、向島の「カフェごくま」や、京島の長屋などを見ていただきました。


●8月5日CCC円卓会議in船橋
お越しいただいたゲストは、特定非営利活動法人BEPPU PROJECTの山出淳也さんのほか、千葉県の創造活動の担い手である、特定非営利活動法人こだまの近藤けい子さん、特定非営利活動法人生活クラブ・ボランティア活動情報センター VAICの冨永ゆみさん、たまあーと創作工房、美術家のこまちだたまおさん、映像作家の大木裕之さん、そして、CCCショウケース:HyoJun Circuitの作家であるアーティストの南孝俊(Nam HyoJun)さんの6名です。
まず11時に集合し、会場の船橋市民ギャラリーから本町通り商店街を船橋大神宮下までぐるりと歩き、特定非営利活動法人ちばMDエコネットの運営するカフェ<ひなたぼっこ>でランチ。ここでもCCC円卓会議の意義や千葉での活動について、CCC円卓会議の開始前からお話が盛り上がりました。
会場の船橋市民ギャラリーに戻り、「HyoJun Circuit船橋」の展示を自由に見たりしてから、13時過ぎから行われた「CCC円卓会議in船橋」では、アサヒビール株式会社社会環境推進部の根本さんや、美術ジャーナリストの新川さん、横浜シティアートプロモーションの澤田さん、船橋市文化課の田久保さんなどにもお越しいただいて豪華なメンバーで行われました。また途中、千葉大学の神野先生もお立ち寄りくださいました。
まず最初に特定非営利活動法人BEPPU PROJECTの山出淳也さんから、別府で現在行われている取り組みについてのご紹介をいただきました。「何かと何かをつなげて、新たな価値や意味を創る。それは出会う場所である。」という内容を掲げて教育や都市計画、多文化共生などのいろいろな分野の団体と協力しながら活動を展開していらっしゃるBEPPU PROJECT。このBEPPU PROJECTがそもそもどういった視点からどういったモチベーションで取り組んでいるのか。その効果は現在どう位置づけることができるのか、ということについてまでかなり丁寧に話していただきました。広い視野をもち戦略的にプロジェクトを進めてゆかれている姿勢とその内容に、皆さんいろいろな意味で示唆を受ける部分が多かったように思います。

続いてのCCC円卓会議では、「10年後の千葉、日本、アートはこうなるのでは?」「現在皆さんの抱えていらっしゃる課題は?」「私は今後これをしたい」といったお題をこちら側から提示させていただいて、それについてゲストの方々に少しずつではありますが、現在考えていることをお話していただきました。皆さんのお話それぞれにそれぞれのバックグラウンドが見え隠れしていてとても面白いお話を伺えましたが、皆さんに共通しているのがやはり「人とのかかわり」についての洞察だったのではないかと最初にまとめられました。人間関係の変容についての関心や、関わる人々それぞれの人生と付き合いながら、彼らとアートの関係をどのくらい膨らませることができるだろうか、ということ、違っている人たちが一緒に生きていくということを達成するためには、介護・福祉・アートすべて人間が生きていくということの一部であることを実践して見せる必要があるのでは、といったお話が出ました。
その途中で、近年盛んになりつつあるアートプロジェクトはアートのもつ毒や闇といった部分を隠しているのではないか、アートは善ということを押し出すことはアートのためにはならないのではないか、といった意見も出ました。アーティスト自身が自分からインモラルなものを作らなくなってきている、自主規制といった流れがあるのであればそれは悲しいことであるし、こうしたものをタブーとして隠蔽してしまうことで見えなくなってしまうことによる弊害もあるのではないか。こうして隠されているものを可視化していくという作業もアートにはできるのではないか、といった話もフロアで盛んになされました。
こうした普段の生活では考えもつかないような一瞬思考停止に陥ってしまうような感覚を覚えさせるアートもあれば、そうした想像を超えてある人が未知なるものを受け入れていくような過程を創り出す力もアートにはあるのではないかと思います。そうした意味で、CCC円卓会議inこだまの際に行われた「こだまdeアート」は、お年寄りが指にベタベタ絵の具を塗ってどんどんガーゼに着色していくという様子などはまさにそうした魅力を体現しているのではないかと思われますね、というお話にもなりました。
最後にまとめとして、


①混浴温泉世界・・・アートで始まる多文化共生
②つくりつづけるということ
③ムーヴメントから日常へ
といったキーワードが拾い出され、共有されました。
今回、こうして企画間交流プログラムによって、BEPPU PROJECTの山出淳也さんを千葉に招聘し、別府でクラスター型のアート事業を展開しているBEEPU PROJECTの先進事例を、千葉の創造活動の担い手が一緒に聞けたのは、千葉クリエイティブ・クラスターにとって来年以降の大きな弾みとりました。


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山浦彬仁
1986年6月26日生まれ。東海大学付属 浦安高校卒業。現在。筑波大学在学中。「NPO 法人コミュニティアート・ふなはし」http://www.communityart.net などの NPO 法人の理事をつとめる。
山浦彬仁さん