交流プログラム
『車座座談会 〜地域を継ぐ 地域が繋ぐ "まつり"と"アート"〜』

アサヒ・アート・フェスティバル2007の参加団体同志の交流企画のひとつとして、我らが近江八幡に東京の作曲家で宮城・東鳴子の「GOTEN GOTENアート湯治祭」に関わっておられる大場陽子氏をお招きし、アートを活用したまちづくりの事例を見ながら地域のまつりのこれからについて考える「車座座談会」を7/1に開催しました。
まず、お昼から夕方まで、大場さん、近江八幡で活躍中の映像作家・長岡野亜さん、私たちひょうKOMAスタッフを代表して根木山と藤田、そしてお隣京都から駆けつけてくださった「大枝03」プロジェクトの中島さんの5人で、私たちのフィールドである島地区の自然・文化・歴史をめぐる視察(ミニエコツアー)を実施。
雑然とした駅周辺、近江商人の屋敷や八幡堀があって落ち着いた町並みの旧市街、そしてヨシと田んぼと湖に囲まれた水郷地帯と、それぞれ時間の流れる速さがまるで違う空間を体感。大場さん曰く「(東鳴子と)おなじ田舎でも、"水"の見える空間が生活の身近なところにあることで随分印象が違う」とのこと。なるほど。
最後に、島町の御神体にして一帯を一望できる霊峰「権現山(ごんげんさん)」(別名:元富士)登山を敢行。蒸し暑い日に水筒も着替えも持たず、かなり無計画な登山でしたが、山頂付近に祀られている池鯉鮒権現さんの祠に一礼し、大岩から見下ろす景色に疲れも吹き飛びました(かな?)。
無事登山も終え、向かったのは旧市街にある老舗の酒蔵を改装してつくられた趣のあるギャラリー「酒游舘」。
ここに、ひょうたんからKO-MAの主要メンバーのほか、主に島地区エリアと旧市街エリアのまつりやまちづくりに関わるキーパーソン達が集結。合計21名で、いよいよ「車座座談会」が開幕しました。私(藤田)のつたない進行のもと、まず大場さんから「GOTEN GOTENアート湯治祭」の事例報告、続けて島地区で昨年実施された「権座水郷コンサート」と、現在進行中の「島町ほんがら松明復活映像化プロジェクト」の事例報告が行われました。東鳴子の事例では、1年目の反省材料を活かして2年目・3年目と継続的な取り組みにつなげているところなど、私たちの参考になる話をたくさん聞く事ができました。

おなかもすいたところで、食事が運び込まれ、晩餐会?のスタートです。飲み物はもちろん、アサヒスーパードライ!!近江八幡の特産品である湖魚の佃煮や赤こんにゃくなどの郷土料理や、酒游舘特製の創作料理に舌鼓を打ちながら、徐々に打ち解ける参加者たち。

宴もたけなわとなったところで、第二部スタート。真打・Oさんの登場です!!「権座水郷コンサート」の地元キーパーソンとして島地区になくてはならない存在であるOさんの軽やかな進行で、「島地区のこれから」をみんなで考えました。アートの立場から伝統的な祭のあり方を改めて問い直す意見、祭の担い手である地元住民の立場から自分たちの信念・真意を主張する意見、まちづくりの立場から地元やアーティストに要望する意見など、それぞれの立場からのホンネが垣間見える意見やアイディアが出されました。この第二部は、本当は「地元住民が主体になって自らアイディアを出し、主体的に地域の将来を考える」場にしたかったのですがしかし、今回は想定していたより「地元住民」の立場での参加者数が少なかったため、むしろヨソモノが地元住民にアイディアや要望を突きつける形となってしまいました。このままこれ以上議論を白熱させても、肝心の地元の方々はしらけるばかり、と思い、第二部はやや消化不良のままお開きとさせていただきました。
ただ、ひとつの結論として、青年団がなくなって以来、地域の若い世代のヨコのつながりや、上の世代から必要なことを引き継ぐタテのつながりが希薄化していることは皆の共通認識としてあり、したがって、今後もまた、もっと小規模でいいから、地元の者だけでもいいから、継続的にこういった話し合いの場を設けていこう、その中からまた新しいエネルギーを生み出して行こう、ということだけは合意できたと思っています。
さて、最後の第三部は、地元の人たちや用事のある方々が抜け、いわゆるまちづくり系・アート系のコアメンバーだけが残留して、さっきの消化不良のうっぷん晴らし(?)も含め、白熱したホンネフリートークが炸裂。でも、おかげで随分親交も深まり、近江八幡や島地区の「これから」に役立ちそうな面白いアイディアやヒントもいくつか出てきました。
また、これを期に、今私たちが取り組んでいる「島町ほんがら松明復活」のドキュメンタリー映画の音楽を大場さんにお願いしよう、という話になり、翌朝、大場・長岡・藤田の3人で、そのことについて具体的に話し合いました。映像作家の長岡さんも、音楽家の大場さんも、このコラボレーションの機会を自らの創作活動の幅を広げる良い機会と捉えていて、すごくポジティブな話し合いになりました。
...AAFでの大場さんたちとの出逢いと、AAFの「企画間交流支援プログラム」というしくみによって実現した今回の座談会。満点の出来とはいえませんが、確実に次へのステップになったと思います。
参加してくださった皆様、AAF事務局の皆様、本当にありがとうございました!!
----【開催概要】----
実施日: 2007年7月1日(日)
招聘者: 大場陽子(作曲家 GOTEN GOTEN2007アート湯治祭【宮城県】)
タイムテーブル:
14:00〜17:00:ミニエコツアー
会場:近江八幡市島町一帯
活動のフィールドとなる島地区の自然・文化・歴史をめぐる町歩きを実施した。
18:00〜23:00:車座座談会
会場:酒游舘(近江八幡市仲屋町中21)
第一部:大場さんによる「GOTEN GOTENアート湯治祭」の事例報告、島地区で昨年実施した「権座水郷コンサート」と現在進行中の「島町ほんがら松明復活映像化プロジェクト」の事例報告をそれぞれ行った。
第二部:参加者全員で「島地区のこれから」をテーマにディスカッションを行った。
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- 藤田知丈
- 1972年、島根県八雲村(現松江市)生まれ。琵琶湖をキレイにしたくて滋賀に住みつく。地域プロデューサー養成塾「おうみ未来塾」でともに学んだ仲間と、農村地域再生に取り組む任意団体「ひょうたんからKO-MA」を結成。そこでの様々な実践活動を通じて、地域再生のツールとしてアート(的要素)が不可欠であることに気付きはじめた。